1.総合職と一般職の違い
総合職とは、階層で言うと一般職層から指導職層を経て管理職層へとキャリアアップし、ゆくゆくは役員として会社の中核を担う、いわゆるマネジメントコースなどとも呼ばれるものです。
ここで言う一般職とは、階層(一般職・指導職・管理職)としての一般職層とは異なり、勤務時間を限定する、対外的な(社外の)対応はしないなど、総合職と比較して職務内容や働き方、責任等を限定した働き方です。
2.専門職について
専門職とは、総合職と並列で設定される職務上のコースです。
通常、総合職のキャリアアップは、一般職から指導職を経て管理職へと進みますが、近年は管理職としてではなく、専門スキルによって会社に貢献したいと考える社員も増えています。
また、企業にあって、ゼネラリストよりもプロフェッショナルに期待する職種が増えており、IT人材がその典型例です。
プロフェッショナル人材の確保と養成は、今日の企業にとって非常に重要な課題となっており、そのような意味でも、専門職コースの設定には非常に大きな意義があり、このような観点からも、専門職コースを新設する企業が増加しています。
また、以前に専門職コースを設定したものの、その運用に失敗した企業が再チャレンジするといった事例も見られます。例えば、専門職コースをマネジメントスキルが低いベテラン社員の「姥捨て山」にしてしまった企業が、改めて本来の専門職を据えるために、プロフェッショナルコースなどに名称を変えて、再スタートさせるような事例です。
このように、専門職制度を導入する際には、新卒採用時から専門職として入社するコースを設定するのか、採用時は総合職として入社して、途中からコース変更できるようにするのか、など考えておくべきことが多数あります。検討すべき重要な点をまとめると以下のようになります。
- 途中からのコース変更だけとするか、入社時からの専門職コースを設定するか
- どのタイミングでコース変更を実施するか
- 本人希望を優先するか、会社の判断を優先するか
- コース変更を複数回認めるか
- コース変更した際の賃金をどのように設定するか
- 呼称をどうするか