Q.退職金制度を切り替える際の既得権はどのように考えたらよいのでしょうか

退職金制度を切り替える際の既得権はどのように考えたらよいのでしょうか

退職金を新制度に変更する際に、最大の注意を払っておくべきことは既得権の保護です。

退職金制度を改定したからといって、社員の退職金の計算方法を入社時に遡って適用することは決して正しいとは言えません。したがって、退職金制度改定の際は、新制度へ移行する前日までは旧制度での既得権を保護することが必要です。
既得権部分は、社員に対して不利益が生じないよう、規程上の勤続年数計算が1年未満切り捨てになっていても、月割り部分まで計算しておきます。
全社員の制度移行日前日における会社都合退職時の金額と自己都合退職時の金額を確定させて、ポイント単価で除したものを移行ポイントとして管理し、実際の退職時には新制度移行後のポイント数と移行ポイントを合算したものを最終的な退職ポイントとして計算することになります。また、既得権部分にあたる移行ポイントについては、新人事制度移行時に本人に通知しておくことも大切です。

既得権と期待権の概念図