何故なら退職金制度の変更が行われるまでの退職金計算は、被用者の既得権を守るために旧制度で行う必要があり、その部分は変更することができないからです。
一方、制度変更によって今後受け取ることが予想される退職金額が変わる部分については期待権となり、会社が保障する義務はありません。しかしながら、期待権といえども、その期待権が大きく損なわれる場合、労使間のトラブルになる可能性があり、社員のモチベーションを引き下げる危険性をはらんでいます。
そのような意味において、退職金水準の大幅な引き下げは慎重に考慮する必要があり、貢献度が高い社員は、現行制度よりも退職金を高く、貢献度が低い社員については、現行制度よりも退職金が低く算定されるような工夫をすることをお勧めします。