退職時の基本給に勤続年数別の乗率をかけて退職金額を算出する方法で、最もオーソドックスであり、今でも多くの企業で採用されている計算方式です。
ただし、かなり以前から取り入れられてきた計算方式であるため、ベースアップにより制度設計時よりも基本給の水準が上昇し、その結果として退職金の水準も当然高くなり、対応に苦慮している企業も多く見られます。
また、単純に退職時の基本給と勤続年数別の乗率で退職金が決定されるため、そこに勤続期間を通算した貢献度を反映することができず、昨今の退職金支給意義にそぐわない制度になっているとも言えます。
さらに、賃金体系を見直す際には、退職金にも影響を及ぼすため、思い切った賃金体系の見直しができなかったり、退職金の算定基礎額を抑えるために第一基本給、第二基本給というように基本給を分解したりといったことをせざるを得なくなるといったデメリットもあり、現在では基本給連動型の退職金制度を見直す企業が非常に多くなっています。