1.業績連動型賞与
よく、「業績と賞与原資はどのように関連付けたら良いのか?」「賞与原資が自動的に決まる算定式を作りたいのだが、何か良い方法はないか?」といった内容の相談を受けることがあります。
業績連動賞与を採用すると、総額人件費の固定費化防止や社員の経営参加意識向上といったメリットを享受できる一方で、業績に連動して自動的に支給原資が決まることで、急に必要になった設備投資への対応など、個別の経営判断による原資配分が難しくなるというデメリットも存在します。
年商、利益の水準がそれほど高くない企業や、工場や多くの車輛を保有するような企業にとっては、デメリットの方が大きくなることも考えられますので、慎重に検討することが必要です。
業績連動型賞与のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
成果主義の導入によって、社員のインセンティブが向上する 社員の経営参加意識が高まる 賞与支給原資の固定化を防げる 支給原資を一定に保つことで経営基盤が安定する 労使交渉の手間が省ける | 業績によって支給額が左右されることで社員に不安を与える 経営判断による賞与の配分率が変更しにくい |
2.業績連動型賞与導入
具体的には上記のようなメリット、デメリットを比較検討の上、業績連動賞与を導入する場合、どのような指標を使用して、どのように賞与原資を算出するかということを検討します。 指標としては、売上か利益のいずれかを選択することになりますが、売上高を指標とした場合、薄利多売により利益そのものは少ないものの、賞与原資は増加するといったことが考えられるため、「売上高」よりも「営業利益、経常利益」を採用することをお勧めします。 あとは、自社の個別事情に応じて、「賞与支払い前の営業利益の〇%を賞与原資とする」「賞与支払い前経常利益の〇%を賞与原資とする」といった計算式を定めることになります。