1.人事評価表作成の第一ステップは評価項目の検討
最初に構成する項目を検討します。例えば、態度、成果、能力の3要素にする、態度と目標管理の2要素にするなどです。
その次に、等級、階層、職種を考慮して、どのような区分で人事評価表を作成するのかを検討していきます。
人事評価表を構成する項目を決定したら、次に人事評価表を何種類とするのかを検討します。その際に留意すべき要素は、等級と職種です。
人事評価表を緻密に作り込むのであれば、全等級、全職種で作成することが望ましいと言えます。しかしながら、等級別職種別に人事評価表を作成すると、人事評価表の種類が非常に多くなることになり、作成にかかる労力と管理面の煩雑さに加え、人事評価表のメンテナンスにかかる手間も非常に大きなものになります。
2.第二ステップは、期待する人材像をどのように表現するか
人事評価表を構成する項目と区分(数)の決定後は、いよいよ人事評価表を作成していくことになります。
その作成にあたっては、重要なポイントが2点あります。
1点目は極力具体的に自社の理想の人材像を盛り込むということ、2点目は各部門の責任者クラスの管理職と共同で作成するということです。
以下、この2点をクリアするためのポイントを述べます。
人事評価を職能型で行うか、コンピテンシー型で行うかを決めたら、各項目、各要素において具体的な行動基準、思考基準、能力基準を明示する作業を行ないます。
その際、ゼロベースですべての項目を作り込むことが理想ですが、この手法では議論が進まないなどの困難が伴うことが予想されます。そこで有効なのが、サンプルの活用です。
職能型評価では着眼点事例、コンピテンシー評価ではコンピテンシーディクショナリーを活用して、具体的な評価ポイントを決定していくことが効果的です。
もちろん、サンプルをそのまま使用するということではなく、あくまで参考にしながら自社に合った内容に焼き直すということです。
弊社がコンサルティングを行う際には、以下のような着眼点事例を利用して、自社オリジナルの人事評価表作成の支援を行っています。
3.各部の責任者と協働する方法
人事評価制度の構築以上に重要なのがその運用方法です。
そして、その中心的役割を担うのが、現場の管理職であり、管理職が本気で取り組むことが人事評価制度の成否を握っているといっても過言ではありません。したがって、人事評価制度を構築するところからプロジェクトへの参画を要請し、人事評価制度に対する管理職のコミットや所有感を醸成することが重要となるのです。
具体的には、全メンバーで着眼点事例に対して投票を行ない、その結果をもとに重要度の高い着眼点を絞り込み、自社に合った表現に置き換えるといった作業を行なうことになります。
このように、人事評価表が完成するまでのプロセスを管理職と共有し、期待する人材像の行動基準や能力基準を作り上げていくことになるのです。