Q.コンピテンシー評価という言葉を聞きますが、どういう意味でしょうか

コンピテンシー評価という言葉を聞きますが、どういう意味でしょうか

一般的な解釈として「ハイパフォーマーの思考・行動基準」と捉えられており、職能型の人事評価に変わる考え方として、近年はコンピテンシーを人事評価に活用する企業も増えています。

1.コンピテンシー評価の定義

コンピテンシーとは、もともとは、ハーバード大学の教授によって、高い業績を挙げる人材の持つ特性を調査してまとめられたものがその始まりですが、それが注目され、採用や人材育成への活用法について多くの研究がなされました。

2.コンピテンシーディクショナリー

コンピテンシーをより具体化したものが、コンピテンシーディクショナリーと呼ばれるもので、そこには職種や役職などに関係なく、高い成果を挙げる人材の典型的な思考特性や行動特性がまとめられています。

コンピテンシーディクショナリーをもとに、期待する人材像を設定することで、人事評価表を作成することが可能となるわけです。ただし、コンピテンシーには、なかなか変えることができない性格的な部分も含まれるため、採用時の判断基準としてはふさわしいものの、人事評価の要素としては不適切なものも含まれるため、十分に考慮した上で取り組む必要があります。

コンピテンシーディクショナリー
コンピテンシーコンピテンシーの項目
1.達成・行動①達成思考
②秩序・品質・正確性への関心
③イニシアチブ
④情報収集
2.援助・対人支援①対人理解
②顧客支援志向
3.インパクト・対人影響力①インパクト・影響力
②組織感覚
③関係構築
4.管理領域①他者育成
②指導
③チームワークと協力
④チームリーダーシップ
5.知的領域①分析的志向
②概念的志向
③技術的・専門職的・管理的専門性
6.個人の効果性①自己管理
②自信
③柔軟性
④組織コミットメント
出典:「コンピテンシーマネジメントの展開」ライル・M・スペンサー、シグネ・M・スペンサー(著)