1.昇格基準・降格基準は必要
等級制度、人事評価制度の設計と切り離せないものとして昇格、降格の基準づくりが挙げられます。昇格とは上位等級に上がることを指し、降格とは下位等級へ下がることを意味します。
昇格基準を明確にしておかないと、年功的に昇格させてしまったり、経営者の独断で昇格させてしまったりということが発生しやすくなり、等級制度の運用がないがしろにされてしまうと、人事制度全体がうまく機能しないことになってしまいます。
また、降格の基準を定めておくことも重要です。降格の発生頻度はさほど高くはなく、また発生してほしくないものではありますが、やむを得ずそのような人事を行う必要性が生じることもあります。
しかし、人事制度を整備している企業でも、降格の基準を定めていない企業がほとんどで、降格を実施すべき局面でも降格を行えず、役職と等級、貢献度と賃金のミスマッチが発生している企業が見られます。このような事態にならないよう、降格の基準も定めておくことが必要です。
2.昇格•降格基準の要素
昇格、降格の基準は、複数の要素の組み合わせで作成します。
一般的には、当該等級での在籍年数、人事評価結果、上司の推薦、昇格試験、役員会決裁などの条件を組み合わせて設定します。
昇格基準を設定する際には、在籍年数と複数年の人事評価結果の組み合わせ方を十分に検討しないと、安易な昇格基準になってしまったり、逆に昇格が非常に難しくなったりということが起こらないよう注意が必要です。
昇格・降格基準表の例