1.人事制度は設計段階よりも運用段階が重要
人事制度はよく設計3割、運用7割と言われます。人事制度は運用が重要であり、しっかりと運用することが難しいという意味でこのように言われるのです。苦労して構築した人事制度の主旨が、被評価者(部下)と人事評価者(上司)にしっかり理解されるように、何度も説明会を実施したり、人事評価が公正に行われるように人事評価者研修を繰り返し実施したりすることが重要です。
最近では、人事評価制度に被評価者が主体的に参加する姿勢を醸成するための被評価者研修を実施する企業も増えてきています。このような取り組みも積極的に行うべきでしょう。
また、人事評価結果を集計する際に、部門間の平均点に大きな差異がないかを点検することも必要です。
2.制度は毎年見直して環境変化•経営方針と一致させる
新人事制度の定着に向けて3年間は徹底的に取り組むべきとは言っても、経営環境は毎年変化します。
それに併せて経営方針も毎年変化し、経営方針が変化すれば人事方針も当然変化するため、定着期間中であっても人事制度の見直しが必要になることもあります。
したがって、細かな制度の見直しは毎年行うべきでしょう。何故なら、制度は完成した時から陳腐化が始まると言われるからです。人事評価表の評価項目や文章の見直し、評価ウェイトなどの調整をこまめに検討することが大切です。 このような制度の微調整とは別に、中期経営計画の初年度と合わせて大規模な改定を実施するなど、常に経営と人事を連動させておくことが、生きた人事を円滑に実践するための重要なポイントとなります。