人事制度において、最も重要な位置づけであるにもかかわらず、トラブルが発生する可能性が高いのが人事評価です。
まずは人事評価が、社員の成長を図るための重要な手段であるということを、評価者、被評価者ともにしっかりと理解することが必要です。
具体的に言えば、評価者が被評価者のストロングポイントとウィークポイントを正確に見極め、育成・改善すべきポイントをまとめることで、上司と部下の意味ある対話が可能となり、結果的に人事評価制度が有効に機能するということです。
そのような意味で、人事評価者研修を実施することには大きな意味があります。
一昔前は、合宿形式で人事評価者研修を実施する企業も多くありましたが、近年ではe-ラーニングとの併用などもあり、1日研修が多くなっています。弊社が実施する一般的な1日研修のタイムスケジュールは、以下のようなものです。
尚、一般的な人事評価制度では、一次評価者、二次評価者を設定します。以下に述べるように、一次評価者と二次評価者では、その役割が異なりますので、それぞれの役割を正確に理解してもらうことも忘れてはなりません。
人事評価者研修タイムスケジュールの例
時間帯 | テーマ |
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9:00~9:10 | 1.人事評価制度の目的(○○社長から) |
9:10~10:30 | 2.人事評価の基礎理論 (1)新しい人事評価の仕組み (2)人事評価の進め方 (3)評価エラーの原因と対策 |
10:30~12:00 | 3.ケーススタディ (1)動画視聴 (2)解答作成 |
12:00~13:00 | 昼休み |
13:00~14:00 | (3)グループディスカッション (4)解答合わせ |
14:00~15:30 | 4.面談とコーチング (1)目標面談 (2)中間面談 (3)育成面談 (4)1on1 |
15:30~16:50 | 5.面談ロールプレイング (1)面談シナリオの作成 (2)ロールプレイングの実施 (3)フィードバック |
16:50~17:00 | 6.管理職への期待(○○社長から) |
人事評価者研修では、人事評価制度の主旨や管理職に対する期待を、経営者から直接伝えることが重要です。これにより、会社の本気度が伝わるからです。
実際の研修では、日頃社内でみられる社員の行動などを題材として、個人の評価を持ち寄り、グループディスカッションを行うことにより、評価基準の統一化を図っていきます。 また、社員の育成に向けた面談の訓練も行い、その面談の有効性について相互にフィードバックを行い、面談スキルの向上を図ることも重要です。