1.絶対評価と相対評価それぞれのメリット・デメリット
人事評価の点数を最終的な人事評価ランクにどのように当てはめるかを決めておくことも非常に重要です。
その選択肢として、絶対評価と相対評価という考え方があります。
絶対評価とは、各ランクに該当する点数をあらかじめ定めておき、各ランクに該当する人数に定員を作らない方法です。一方、相対評価とは、各ランクに該当する人数(比率)をあらかじめ定めておき、上位者から順に当てはめていく方式です。
それぞれの方式にメリットとデメリットがあり、絶対評価は社員側から見て公正である反面、原資コントロール機能が弱く、相対評価は原資コントロール機能が強い反面、社員側から見た公正さが弱いという側面があります。
2.評価のバラつきを防ぐポイント
弊社では人事評価制度に対する社員の不信感を排除することを重視し、絶対評価方式を取り入れることをお勧めしています。絶対評価方式を採用したとしても、人事評価者に対して研修を繰り返し行うことによって人事評価の不合理な偏りをなくすことは可能ですし、役員会や人事評価委員会において、不合理な評価の偏りがあれば是正を行うことにより、原資コントロールも可能になるからです。それによって、人事評価結果のバラつきによって、昇給・賞与原資が予算を超えてしまうといった事態も防げるでしょう。
人事評価表が100点満点の場合、人事評価点数と評価ランクの関係は以下のようにするのが一般的で、昇給・昇格評価は5段階、賞与評価は7段階とするのが良いでしょう。
昇給・昇格評価ランクの例
評価ランク | 点数範囲 |
---|---|
S | 85点以上 |
A | 70点以上85点未満 |
B | 55点以上70点未満 |
C | 40点以上55点未満 |
D | 40点未満 |
賞与評価ランクの例
評価ランク | 点数範囲 |
---|---|
S | 85点以上 |
A | 70点以上85点未満 |
B+ | 65点以上70点未満 |
B | 60点以上65点未満 |
B- | 55点以上60点未満 |
C | 40点以上55点未満 |
D | 40点未満 |