1.人事評価制度導入の効果
人事制度の中でも、賃金制度と同様に重要度が高いのは人事評価制度です。人事評価制度の持つ大きな意味は2点あります。
1点目は、会社が社員に求める職務遂行、役割遂行の内容を示すことです。その意味で、人事評価制度は、自社オリジナルのものである必要があります。
書籍や他社の真似をした人事評価制度では、自社が期待する理想の社員像を社員に示すことはできません。
2点目は、社員のモチベーション喚起です。人事評価の結果、自分の仕事ぶりや成果が認められるとモチベーションアップにつながりますし、目標を立て、その目標を達成できた場合も、達成感を味わうことができ、やる気が高まります。
先に見たように、人事評価制度の運用を通して、承認欲求や自己実現欲求に応え、動機付けにつなげていくことが人事評価制度のポイントになります。
2.人事評価制度は自社にあったものを導入すべき
人事評価制度は、会社が社員に求める期待像を明示して、メッセージを発信する重要な部分です。したがって、自社の特色を生かしたものに仕上げることが大切です。また、人事評価制度は、賃金制度とは対極の役割をもっています。人は、達成欲求、承認欲求が満たされると、満足度が高まります。
その意味において、人事評価制度は満足度の向上や、モチベーションの喚起、組織の活性化に向けて、前向きに取り組むべき制度であると言えます。マズローの欲求の5段階説で示されたように、より高度な欲求に応えるための仕掛けが人事評価制度なのです。
マズローの欲求5段階