1.モデル賃金の組み立て方
モデル賃金の昇進(昇格)パターンの例として、「役員になるような非常に優秀な社員」「課長まで昇進する標準的な社員」「一般社員で定年を迎える社員」など、具体的なものを作成します。それらに適応する社員に対して、どの程度の月例給、どの程度の年収をイメージするかという、自社の賃金水準に対する考え方をまとめていきますが、その場合に実在社員の水準、業界平均、業界のトップクラス企業の水準などを総合的に考慮して、複数のモデル賃金を作成していきます。
このモデル賃金を作成することによって、基本給表のベースが完成します。
2.作成するモデル賃金の種類
一般的には、等級制度で定めた最短年数で昇格する「最短モデル(超優秀者)」、等級制度の理想年数で昇格する「理想モデル」、それ以外は、理想モデルよりも遅れて、最高等級よりも下の等級それぞれで退職を迎えるモデルを作成します。
最高等級が6等級の場合は、「最短モデル」「理想モデル」「5等級モデル」「4等級モデル」「3等級モデル」「2等級モデル」の6パターンを作成します。
最高等級が5等級の場合は、「最短モデル」「理想モデル」「4等級モデル」「3等級モデル」「2等級モデル」の5パターンを作成することになります。ここでは、課長到達時には月例給40万円で賞与込みの年収600万円、部長到達時には月給50万円、賞与込み年収800万円というように、「会社として支払いたい金額を定め、初任給、諸手当、通常の賞与月数をもとに、基本給をどのように昇給していけば、設定した年収になるかということを試算」していきます。
モデル賃金のサンプル