しかし、それ以上の成果を望むとなると上位下達だけでは難しいでしょう。なぜなら、上司は部下に、いつまでも「やらせている」という気持ちが強く、まして上司部下の人間関係がうまくいっていない場合においては、その傾向は顕著に現れていきます。 そこで必要となってくるのが、コーチングという手法です。コーチングの目的は、「部下との信頼関係をつくる」ことと、「部下の自発的行動を促す」ことにあります。
コーチングを取り入れることにより、上司には以下のような変化が現れてきます。
- 部下やチームメンバーのことをよく観察し、部下の考え方や行動を理解する
- 頷きや合の手など相手に合わせたコミュニケーションを図り、相手に対する共感を示す
- 話し手の問題であることを意識し、自分の主観で意見を言ったり、感情的になったりしない
- 本人が「何を言いたいのか」に集中し、途中でさえぎったりせずに、最後まで聞く
- 部下やチームメンバーの存在や行動を承認し、モチベーションを高め、信頼関係を築く
- 部下やチームメンバーが現実派、社交派、友好派、理論派のどのタイプであるかを把握し、行動傾向に合わせたコミュニケーションを図る
- 部下やチームメンバーに深く考えさせ、新しいアイデアを引き出したり、気づきを促す質問ができる
- 部下やチームメンバーを本気にさせ、確実に行動を起こさせるための核心を突く質問やフィードバックができる
- 部下やチームメンバーのゴールをイメージ化させることでモチベーションを高め、その後、行動レベルに詳細化する質問ができる
- 目標が達成できるような的確なアドバイスをタイミングよく行なうことができる
調査機関が、社員のやる気を阻害する要因について、22歳~39歳の職業を持つ男女各2,000人、合計4,000人を抽出して行なった調査結果では、「経営陣や上司への信頼関係をなくしたとき」ということが第1位でした。
コーチングを取り入れて、上司が部下との信頼関係を構築することで、部下はやる気を出し、自発的行動を行って最高のパフォーマンスを発揮してくれます。