1.賞与の支給意義
賞与とは、一般的に給与とは別に夏期や冬期に支給される一時金のことを指しますが、労働基準法上の賞与の取扱いは、「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの」とされています。つまり賞与は、毎月支給される給与などとは異なり、労働契約上の債務にあたるものではないため、必ず支給しなければならないというものではありません。その支給基準、支給額、計算方法、支給期日、支給対象者などの決定も労使にゆだねられており、原則として、事業主が任意に決定できるものです。
2.賞与のルール決め
賞与は「臨時の賃金」であり、賞与に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項になるため(労働基準法第89条第4号)、賞与を制度として設け、算定期間、支給基準、支給額、計算方法、支給期日、支給対象者などについての定めをした場合は、その定めをした限りにおいて、就業規則に記載しておく必要があります。 この「定め」については、正社員には支給するが、契約社員やパートタイマーには支給しないとすることは可能であり、事業全体の業績や労働者の勤務期間などが一定水準に達しない場合には、賞与は支給しないとする旨を定めておくこともできます。