1.人事制度がないためによく起こる失敗
経営者は、社員の働きぶり、業績への貢献度、家族構成、年齢、入社歴などを総合的に考え、悩んだ末に毎年の昇給、賞与を決定しているのですが、その配慮が、間違ったメッセージとして社員に伝わっていることもありがちです。
「〇〇さんは、社長に対するアピールが上手だから、評価されている」「〇〇さんは、社長に正論を言うので嫌われている」といったケースです。また、それぞれの社員に関して、人事評価に影響を与える情報が、経営者に適切に伝わっているかどうかにも疑問が残るところです。良い情報しか伝わっていない社員、悪い情報しか伝わっていない社員など、経営者が適切な評価を行えないことも多々あります。
それとは逆に、制度がないために、全員一律の扱いとしている中小企業もあります。「今年の昇給は全員5,000円」「今年の賞与は全員2ヶ月分」といった処遇の決定方法です。 今どきこんな企業はないと考える経営者もいるかもしれませんが、中小企業では意外とこのパターンを目にすることが少なからずあります。
2.人事制度を設計することで経営の継続性を高める
このような企業では、頑張ることが報われないといった組織風土が醸成され、やる気のある社員、優秀な社員の離職を招いたり、頑張らない社風を作り出してしまうといったことになりかねません。
このように、中小企業では人事制度がないことの弊害が多く見られ、創業経営者から2代目経営者へのバトンタッチ後に表面化してしまうことが多く、創業経営者からの世代交代を控えた会社は、人事制度を始めとした社内の制度を整備してからバトンタッチを行うことが望ましいと言えます。
人事制度のよくある変遷