1.役職のボーダーラインを決める
最初に、自社において管理監督者に該当する役職のボーダーラインをどこに設定するかを検討して、時間外手当を支給しない管理監督者たる役職を決定します。
2.役職手当の時間外部分を決める
次に、管理監督者に対して、どの程度時間外手当に見合う役職手当部分を設定するかを決めます。この際の金額の目安の置き方には、以下に述べる2通りの考え方でアプローチする必要があります。
第一に、管理監督者直前の役職者の平均時間外手当を参考にするということです。管理監督者前の役職から管理監督者になった際に月例給が下がってしまう大きな要因は、時間外手当の減少にあります。ですので、管理監督者手前の役職者の時間外手当を参考にする必要があるのです。
第二に、管理監督者階層が実際にどの程度の時間外労働を行っているかということです。管理監督者になると、実務者としての役割が大幅に減少し、判断、企画の役割が大きくなるような場合は、時間外労働が減る可能性もあります。現実的な時間外労働時間を把握して、管理職手前の時間外手当とのバランスを考慮の上、役職手当の中に占める時間外手当見合い部分を決定するのが望ましいでしょう。
3.役職手当の責任見合い部分を決める
その後、各役職の責任の大きさを比較検討して、相対的なバランスを取り、責任見合い部分の金額を設定します。
最終的には、時間外見合い部分と責任見合い部分を合計したものが、役職手当の金額となります。
役職手当の検討フロー