1.ポイント制退職金とは
近年、基本給連動型の退職金制度からこのポイント制退職金制度に移行する企業が多くなっています。ここでは基本給と退職金を完全に切り離すことができ、勤続期間中の貢献を細かに反映することができるというメリットがあります。
また、旧制度から新制度への移行にあたっても、旧制度の既得権部分をポイント換算して引き継ぐことが容易であるため、スムーズな制度移行をすることができます。 このように、ポイント制退職金には多くのメリットがあるため、退職金制度の改定を検討する場合には、ポイント制退職金の導入を最有力候補として検討することをお勧めします。
2.ポイント制退職金の設計方法
今後の退職金水準が決定すれば、以下のようにポイントを付与する要素を決定します。
- 勤続年数
年功的な退職金になる恐れがあるため、退職金全額の20~30%までに抑えることをお勧めします。 - 等級(資格)
等級ごとに毎年付与するポイントを定めることにより、早く昇格して長く在籍した社員ほど、貢献に応じた退職金を実現することが可能です。 - 役職
組織が大きく、役職間の責任がかなり異なる企業や、等級制度のない中小企業でお勧めします。前者では等級ポイントとの併用、後者では金属ポイントとの併用が一般的です。 - 人事評価
毎年の人事評価結果で表される貢献度を退職金に反映させる考え方ですが、複数年の人事評価の累積が、昇格や昇進に反映されているため、このポイントを導入している企業は少ないです。
ポイント制退職金設計の流れ